トレーサビリティ

トレーサビリティ

トレーサビリティについて、その目的やメリットを解説します。

トレーサビリティとは

工場、トレーサビリティ

トレーサビリティ(Traceability)とは、トレース(Trace:追跡)とアビリティ(Ability:能力)を組み合わせた造語で、日本語では「追跡可能性」と訳されます。「その製品がいつ、どこで、だれによって作られたのか」を明らかにし、原材料の調達から生産、そして消費または廃棄まで追跡可能な状態にすることです。

近年では製品の品質向上に加え、安全意識の高まりから重要度が増しており、自動車や電子部品をはじめ、食品や医薬品など幅広い分野に浸透しています。また、トレーサビリティの定義に関しては、国際標準化機構のISO9001でも定められています。

製造業におけるトレーサビリティの歴史は古く、戦前の日本では製番管理・追番管理(号機管理)という手法で生産管理が行われていました。これらは、今も多くの企業が採用している生産管理方式で、トレーサビリティの基本と言えます。ちなみに、追番管理はゼロ戦を生産していた中島飛行機が発祥と言われる日本生まれの生産管理方式で、最初に作った飛行機を「1号機」としたことから号機管理とも呼ばれています。

トレーサビリティの目的

物流、トレーサビリティ

トレーサビリティは、製造工程や製品だけが対象ではなく、仕入れから製造、出荷、サービス提供まで一気通貫のルールに基づいて業務を推進することで、利益を最大化することが目的です。トレーサビリティが確立できていると、たとえば出荷後の製品に問題が発生した場合、部品(原材料)の使用実績にさかのぼって調査して原因を究明し、同様の問題が発生する可能性がある製品を抽出することができます。また、製造現場では各工程で蓄積したデータを基にした効率的な生産管理や品質管理を可能にし、最適な製造履歴管理を実現することができます。

食品業界では、「米トレーサビリティ法」「牛肉トレーサビリティ法」という法律でトレーサビリティが義務付けられているものもあります。これにより、消費者は安心して商品を手にすることができます。また、各事業者が食品を取り扱った際の記録を作成しておくことで、食中毒などの事故が発生した時に、食品がどこから来てどのように取り扱われてきたのかを遡及、追跡することで原因を調査し改善することができます。

自動車業界では、トレーサビリティ自身は義務付けられていないものの、道路運送車両法に基づくリコール制度に対応するためにはトレーサビリティが確立している必要があります。

トレーサビリティのメリット

トレーサビリティ

1.製品に対するリスク管理の強化

トレーサビリティが確立できれば、商品の流通について正確に把握できるようになるため、万が一、問題が発生しても原因を特定しやすくなります。リスク管理を強化し、早い段階で原因が特定できれば、問題を最小限に留めることも容易です。その分の時間や手間も軽減されるため、コスト面でもメリットがあります。

2.製品の品質向上

トレーサビリティは、流通の上流(原材料などの仕入)や下流(製品の販売)だけでなく、中間(製品の製造)過程についても把握できます。これにより、中間過程の責任の所在が明確になるため、現場の意識も高まり、品質の向上につながります。問題発生時にも、より詳細な原因特定が可能となるため、対策や改善策を打ち出すことも容易になります。

3.顧客満足度の向上

市場には、商品がどのような流れを経て自分の手元にやってきたのかを気にする消費者も多くいます。生産元や製造元が曖昧な商品よりも、明確な商品のほうが消費者は安心感をもって購入するでしょう。一般的に同じ品質の商品でも、トレーサビリティを徹底している企業は、顧客満足度は高くなりやすいとされています。

4.自社に対する信頼度の向上

トレーサビリティを確立することは、安心・安全に対する配慮の証明となります。どこで作った原材料を使用しているのか、どの工場で組み立てられたものなのかなどの情報を開示することで、自社の商品が安全である理由が具体的になります。2つの企業があるとき、消費者は透明性があり、信頼できる企業の商品を選びます。

トレーサビリティ構築における課題

困難、課題

トレーサビリティは情報を蓄積するところからはじまります。そのためには、情報収集のインフラを整備しなければなりません。また、企業間や部門間のシステムを連携させる体制づくりも必要です。そして、万が一、製品に問題が発生した場合には、蓄積されたデータから、「同じ問題が発生する可能性のある製品の特定」、「その製品の所在の明確化」を素早く行うことが必要です。

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