夜間バッチ処理
夜間バッチ処理とは何か、メリット・デメリット、最近の動向「夜間バッチレス」について説明します。
夜間バッチ処理とは
データ処理を決まった時間や特定のデータ量単位にまとめて行うバッチ処理の一種で、通常業務を行っていない夜間を利用して処理を行うことを言います。
バッチ処理の中でも、データが多く日中に処理するとシステム負荷が高く業務へ支障をきたす恐れのある処理や、その日1日のデータを集計する処理などが夜間バッチ処理として処理されます。
夜間バッチ処理の例としては、銀行の「給与振込」などがあります。給与の支給日は多くの企業が同じ日になっていますので、大量の振込データが発生します。そこで、日中の業務に支障をきたさないように夜間バッチ処理で対応しています。
また、その日1日の明細データを夜間バッチ処理で統合DWHに反映しておくことで、翌朝には様々な分析業務に利用するという事例もあります。
このように、夜間バッチ処理には、日中には処理できないが、翌朝までに処理を終えていないと業務に支障をきたす処理も多くあります。
夜間バッチ処理のメリット
- 日中に実行できない大規模なデータ処理の実現
大規模なデータ処理はシステムに対する負荷が高いため、日中に実行しているリアルタイム処理のダウンなどの障害を避けることができます。 - スケジューリングによる業務効率化
予め処理を「何時になったら実行する」などスケジューリングすることで、情報システム部門の業務効率化や業務負荷軽減につながります。
夜間バッチ処理のデメリット
- データ量増加による処理遅延
想定以上の大量データが発生した場合や日々増加していくデータにより夜間バッチ処理が予定時刻になっても終了しないということもあり得ます。処理が終わらないと翌日の業務に支障をきたすことになります。
過去には、あるメガバンクで、夜間バッチ処理が遅延することが発端で、全ATMサービスを3日間停止という障害が発生したこともありました。 - リアルタイム監視ができない
バッチ処理は、リアルタイムで処理状況が確認できませんので、都度監視が必要なデータ処理はリアルタイム処理にする必要があります。
夜間バッチレス
夜間バッチ処理は、システムダウンやパフォーマンス低下の恐れがあり日中には実行できない処理を実行できるというメリットがあるものの、朝出社したら、「処理が終わっていない」「異常終了している」などで「業務が開始できない」ということが無いように設計しておく必要があります。
メリットはあるものの、夜間バッチ処理の持つリスクを回避する手段として、最近では「夜間バッチレス」という夜間バッチ処理を無くす動きもあります。
「夜間バッチレス」は、リスク排除のためだけではなく、インターネットの普及に伴い24時間サービスを提供している場合やワールドワイドに事業を展開しているために「夜間バッチ処理」という仕組みを適用できない場合もあります。
夜間バッチ処理のまとめ
夜間バッチ処理には、メリットは十分ありますが、デメリットや大きなリスクが潜んでいることを認識する必要があります。不測の事態を招かないための方策を講じた上で、万が一不測の事態を招いたときの対処方法を検討しておく必要があります。
弊社の提供する「データ整備サービス」は、バッチ処理の代替としてご利用いただくことも可能です。詳しくはホームページをご覧ください。