データマネジメント
企業が活動を継続していくうえで、非常に膨大なデータが発生しています。しかしせっかく貴重なデータを集めたとしてもただ蓄積していくだけでは、ビジネスに活用することは難しいと言えるでしょう。データの活用を営業活動の成功へつなげるためには、データマネジメントを適切に実施していく必要があるのです。
そのためここでは、データマネジメントの概要や組織に対するメリット、データマネジメントの知識領域などについて解説していきます。
目次
データマネジメントとは
ここではまず、データマネジメントの概要を解説していきます。
データマネジメントの概要
データマネジメントは、企業内、企業外にある必要なデータを集めて、必要な情報にし、企業活動に活用できるように経営管理することです。
経営管理と言ってもその業務内容は幅広く、データの登録や更新、活用以外にも以下のような業務がデータマネジメントの大切な業務として挙げられます。
- データを保存する仕組みの構築・メンテナンス
- データの設計
- ビジネスでデータを有効活用するための検討
- データの保守管理
- 有効なセキュリティ体制実装
- データ構造の見える化
- 責任体制の確立
事業活動の見える化や、マスターデータマネジメント(MDM)などが、データマネジメントにより実現することが可能なのです。
データが存在するところは?
データは、人(人的資源、組織資源)、モノ(社屋、設備、備品)、カネ(給与、購入、資金)、情報(顧客、取引先、市場動向)、時間(仕事をする、新規サービス構築、新規製品製造)、知的財産(特許・商標・著作、独自技術、企業の強み)それぞれに存在しています。
データマネジメントの対象になる2種類のデータ
データを大きく分けると、構造化データ(業務システムで管理されているDB)と非構造化データ(画像、動画、書類、IoT機器)が存在し、それぞれのデータ内容を定義するメタデータがあります。また、構造化データと非構造化データはともに「ビジネスデータ」という枠組みに分類され、ビジネスデータと別の概念として「メタデータ」というデータの種類もあります。
- ビジネスデータ
- 構造化データ
- 非構造化データ
- メタデータ
ビジネスデータ
ビジネスデータとは、一般の業務で広く使うデータのことを指します。
ビジネスデータの中には「構造化データ」と「非構造化データ」があり、それぞれ異なる特徴を持っています。
構造化データ
構造化データとは、RDB(関係データベース)に入れられる構造を持っていて、SCMやCRMなどの業務ソフトウェアデータベースで利用されているデータのことです。
構造化データの具体例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 山田太郎 → ”name”: “山田太郎”,
- 1980年11月9日生まれ → ”birthDate”: “1980-11-09”
上記のように、「名前」や「生年月日」など情報の意味がコンピューターの検索エンジンにハッキリと伝わるように構造化されたデータが、構造化データです。
非構造化データ
非構造化データとは、一般の書類に記述されているテキストや音声、画像などのデータを指します。
非構造化データの具体例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 見積書や発注書、契約書などの文書データ
- デザインデータ
- 動画データ
非構造化データはそれぞれがデータ単体で意味を持ち、業務用途が異なるためにRDBで扱うことが難しいです。
非構造データと構造データを合わせてビジネスデータと呼びますが、ビジネスの現場で扱われているデータの大部分は、非構造データであると言えます。
情報システムに存在する構造化データは、企業の歴史に伴って業務を支える情報システムを構築、追加、変更してきたため、単一システム内では、正規化されていても、他システムと連携統合しようとすると、類似したデータが異なる型式・タイミングで複数存在する為に、なかなか連携統合できません。そこに非構造化データを加えると、ますます利用しにくい情報になります。
メタデータ
メタデータとは、データの意味や型など、本体のデータに関する付帯情報が記載されたデータのことを指します。
例えばある一つの文書データがあったとして、そこに付帯的に存在する以下のようなデータがメタデータであると言えます。
- 作成者名
- 編集者名
- 作成日
- 保存場所
- サイズ etc…
WordやExcelファイルなど一般的なファイルの中には、上記のようなメタデータが付帯して入っており、ファイルを右クリックすることで「プロパティ」欄で確認が可能です。
データマネジメントで企業が抱えるデータ関連の課題を解決
データ利用者は、必要情報を各種情報システムのデータから、必要な時に集め編集加工処理したいが、どこの誰に聞けば目的のデータが集まり、どのように処理すれば良いのか判りません。また、単一システム内では、データ量(ディスク資源)を減らす為、あらかじめ決められた処理(時間、日、週、月、四半期、半期、年)に情報を作成(集計データ)後、利用した明細データを削除する為、他のシステムでは使えない集計データに加工されDBに保存されていません。
その為、DX(Digital Transformation)推進にはデータマネジメントの必要性が認識されています。
誰もが簡単に必要なデータを取り出しやすくなる
データマネジメントを行うことで、必要なデータを誰もが簡単に取り出すことができるようになります。
ビジネスマンにとってスピード感は非常に大切な要素であり、迅速な対応が出来なければ商機を逃してしまう局面も多々あるでしょう。
しかしデータマネジメントを取り入れることで適切に営業活動に必要な情報を分かりやすくまとめておけるため、顧客対応をスピーディーに行うことができます。
データの見える化により顧客の傾向や性質が把握しやすくなる
データマネジメントを行うことで、適切な営業施策を打ち出すことがより容易となります。
データマネジメントによりデータを可視化することで顧客の傾向や性質が把握しやすくなるためです。
適切かつ精度の高いデータをすぐに確認できることで、担当者の経験に頼らない客観的なマーケティング施策を実行することができるでしょう。
担当者の入力の手間が最小化するため生産性を向上できる
データマネジメントを適切に行うことで、担当者が入力に要する時間を最小化することができます。
表やグラフを作成するたびにデータを入力していては、効率的とは言えません。
データマネジメントによって一回の入力で多様な表・グラフを作れる仕組みを作ることで、二度手間・三度手間を防ぐことができるのです。
入力にかかる時間を減らすことで、営業担当者がコア業務に向き合う時間を創出することが可能になるでしょう。
DMBOKのデータマネジメントフレームワーク
ここでは、DMBOKのデータマネジメントフレームワークについて解説していきます。
DMBOKとは
DMBOKとは「Data Management Body of Knowledge」の略です。
アメリカのDAMAインターナショナル社がデータマネジメントに関する知識が体系的にまとめた書籍のことを指します。
DMBOKには、データマネジメントを継続的に行うにあたって必要となる考え方や組織体制、用語やベストプラクティスに至るまでまとめられています。
データマネジメント知識領域
DMBOKに記載されているデータマネジメント知識領域には、以下のようなものがあります。
- データガバナンス
データマネジメントを統制する活動 - データアーキテクチャ
データマネジメントの戦略策定や計画 - データモデリングとデザイン
データを蓄積していく仕組み作り - データストレージとオペレーション
データ蓄積の仕組みを維持する活動 - データセキュリティ
データのセキュリティ管理 - データ統合と相互運用性
データを統合するための基盤づくり - ドキュメントとコンテンツ
非構造データ管理 - リファレンスとマスターデータ
リソースデータ管理 - データウェアハウスとビジネスインテリジェンス
集計系データ管理 - メタデータ
メタデータ管理 - データクオリティ
データの品質(クオリティ)のこと
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データマネジメントで使われる主な手法
ここからは、データマネジメントで主に使われる手法を2つご紹介していきます。
名寄せ
名寄せとは、複数のデータベースから重複しているデータを整理し、一つのデータとして統合することを言います。企業の扱うデータには同じ人物や同じ企業のデータが分散・重複して存在していることがよくあります。
このままデータ抽出を行うとデータの重複に気づかず、同じ顧客にダイレクトメールを複数回送ってしまうような事態が発生してしまいます。
名寄せによりデータを整理統合することで、このような事態を防ぐことができるでしょう。
データクレンジング
データクレンジングとは、顧客データの不整合や揺らぎなどを無くし、各種データを整理することを指します。
データクレンジングをすることで情報の精度が高まり、誤った情報を元に顧客対応をするようなケースを減らすことが可能になります。
正しい情報を元に営業活動をすることで顧客の信用を得ていくことができるでしょう。
データマネジメントに役立つツール「データ整備サービス」
ここでは、日本ソフト開発株式会社が提供する「データ整備サービス」の概要について解説していきます。
データ整備サービスの3つの特徴
データ整備サービスには、3つの大きな特徴があります。
①Cost:明確な見積
テーブル数、データ件数に対応した料金体系で、ご利用いただけます。
②Speed:最短1週間
短期間で、データ確認、データ整備を実施いたします。
③Usability:わかりやすく
データ確認とデータ整備を繰り返すことで、データを情報にします。
データ整備サービスの詳細
データ整備サービスでは「データ確認」と「データ整備」を繰り返し、データ活用の課題解決をお手伝いいたします。
データ整備のStep1 データ確認
CSVファイルとテーブル編集仕様をお預かりし、データ確認レポートを短期間(最短2日)で作成いたします。
テーブル編集仕様の作成をお客様で行うことが難しい場合は、弊社にて作成サポートも行っていますのでご安心ください。
データ整備のStep2 データ整備
いただいたテーブル編集仕様を元に、お預かりしているCSVファイルを整備・加工して、短期間(最短4日)でCSVファイルをお返しいたします。
データ整備のStep3 データ再確認
データ整備が終わった後のCSVファイルがテーブル編集仕様に沿ったデータであることを、データ確認レポートによって確認いたします。
もしER図をいただくことができれば、テーブル間整合性レポートの作成も合わせていたします。
データ整備サービスで企業のお悩み解決
データ整備サービスをご利用になることで、企業が持つ以下のようなお悩みを解決することができます。
デジタルトランスフォーメーション(DX)関連のお悩み
「デジタルトランスフォーメーションを進めるために今あるデータの内容を確認しているが、データ量、データ数が多くて、手に負えない」
AI関連のお悩み
「AI用の機械学習(学習データ、適用データ、テストデータ)データ整備を複数人で作成しているが、品質にばらつきがあり、AIで思うような結果が得られない」
データ移行時のお悩み
「ERPシステムをクラウドサービスに移行したいが、データ移行費が高い」
「汎用機からオープン系へのマイグレーションに伴うデータ移行の工数を削減したい」