データリテラシーの意味とは?企業で重要な理由とメリット・鍛え方を解説
データリテラシーは企業がDXを推進するうえで欠かせない個人のスキルです。しかし、どのような意味なのか、なぜDXにデータリテラシーが必要なのか、分からない方もいるでしょう。そこで本記事では、データリテラシーの意味と企業との関係性、鍛え方を解説します。
目次
データリテラシーの意味とは「データ活用の基礎教養」
データリテラシーとは、データを読み解き、活用したり応用したりすることをいいます。ビジネスにおけるデータとは、売上や顧客情報、問い合わせ件数、各社員が日々記録するレポートも貴重なデータの一種です。電子化が進む現代では、経営陣のみならずマーケティングや営業社員もデータを読み解き分析し、自分なりの仮説を導き出して行動することが求められており、データリテラシーは必須スキルなのです。
データリテラシーに必要なスキルは4つ
データリテラシーは複数の要素が混ざり合ったスキルで、現時点で身についていない方でも鍛えれば身につけられます。ここではデータリテラシーに必要なスキルを具体的に解説しますので参考にしてください。
①データを読み解く力
データを読み解くとは、データが何を表しているのかを理解することです。もしくは統計学を用いてデータを抽出したり必要なデータを取捨選択したりすることをいいます。データは、数値の羅列やグラフ、表などさまざまな形で表現されるため、図や表を読み取る力も必要です。
②データを分析する力
データを分析するとは、数値を整理・加工してデータが示す意図を見つけ出すことです。Webサイトで使えるGoogle Analyticsや、SNSのインサイト機能を用いれば、初心者でも分析できます。たとえば、Webサイトのアクセス数が伸びた要因や、SNSに訪れた年齢層を分析できます。
③データを活用する力
データを活用するとは、データで得られた情報を元に行動することです。データを読み解き、分析から解決策の仮説を立てて行動に移せば、闇雲に課題を解決しようとするよりも、効率的に課題解決できるでしょう。何度も繰り返せば仮説の精度も、効率も上がる可能性があります。
④データで議論する力
データで議論するとは、データに基づいて人を説得したり、課題の解決に向けて計画を立てたりすることです。たとえば、データを読み取った経緯、データの分析結果、行動した結果などを論理的に説明することがあげられます。段階的に説明すれば相手に伝わりやすく、説得力も高まります。また伝えられた側も、より的確なアドバイスが可能です。
データリテラシーが企業で重要な理由・メリット3つ
データリテラシーは個人が身につけるデータ活用の基礎教養ですが、企業活動にも影響を与える重要なスキルです。ここからは、データリテラシーを社員が身につけることで、企業にはどのようなメリットがあるのかを解説します。
①売上向上につながる
社員のデータリテラシーが高まれば、売上の向上が期待できます。なぜなら、売上低迷の原因をデータから導き出し、効果的な解決方法を実施できる可能性があるためです。たとえばECサイトを運営している場合、購買が多いターゲット層を絞り出し、売上を伸ばすための策を講じられる可能性があります。データリテラシーのスキルを複数人が有していれば、さまざまなデータの観点から議論ができるため、解決策の確度も高まるでしょう。
②業務効率が上がる
業務効率を上げるためにもデータリテラシーは重要なスキルです。なぜならDXが推進される企業において、データの取り扱いが必要不可欠なためです。また企業で扱われる数値は単位が大きく数が膨大なため、正しく取り扱う必要があります。データリテラシーがあれば作業を正確に素早くできるため、個人に限らず企業全体で業務効率が上げられるでしょう。
③DX推進につながる
DX推進のためには、社員のデータリテラシー向上が必要です。DX化への移行を検討してもデータを取り扱える社員が少ないため業務効率が悪く、DXを推進できない企業も多いのではないでしょうか。DX推進に悩む企業は、資料やシステムをデジタル化する前に、社員のデータリテラシーを鍛え、データへの抵抗を減らすことがポイントです。
データリテラシーを個人が身に付ける理由・メリット2つ
前述では、企業でデータリテラシーを取り入れるメリットを解説しました。ここからは個人がデータリテラシーを身につけるメリットを解説します。社員の人材価値向上にお役立てください。
①PDCAの無駄を無くして生産性を上げられる
データリテラシーを個人が身につければPDCAの無駄が減り、生産性向上が期待できます。なぜならデータを分析して仮説を立てれば、課題解決のための効果的な方法を導き出せる可能性が高まるためです。たとえば飛び込み営業やリスト営業があげられます。無作為な方法ではなく、データの分析結果からターゲットを選定し、計画的に行動すれば生産性が上げられるでしょう。
②意思決定の精度を上げられる
データリテラシーを個人が身につければ、意思決定の精度が上げられる可能性があります。なぜならデータを読み解いて分析すれば、何をすることが最適なのかを導きやすいためです。たとえば統計学を用いて平均値を出したり、確率を導き出したり、仮説検証したりできるでしょう。意思決定の精度が上がればPDCAの効率にもつながります。
データリテラシーの鍛え方3つ
これまでデータリテラシーの必要性について解説したため、従業員に身につけさせたいと考える担当者の方も多いのではないでしょうか。そこでここではデータリテラシーの鍛え方を解説します。
①統計学でデータを導き出す力を身につける
統計学は、データの最大値や最小値、平均値や中央値を算出し、データの特性を明らかにできる学問です。膨大なデータを取捨選択したり、整理したりするために使えます。データは集めるだけでは活用しにくく、計算して加工したり、複数のデータを掛け合わせたりすることで、データが示す意図を導ける傾向にあります。そのため統計学を学び、データの読み解き方を身につけることがおすすめです。
②データ分析ツールを活用する
データ分析ツールを活用すればデータをまとめたり、加工したりできるため、分析力が鍛えられます。身近なツールでは、Microsoft 365が提供するExcelがあげられます。もしくはWebサイトはGoogle Analytics、Instagram・TikTok・YouTubeなどのSNSは、それぞれの媒体に付与されたインサイト機能を活用することがおすすめです。分析結果から何が読み取れるのかを考えることも意識して取り組みましょう。
③分析して仮説を立てて実行を繰り返す
データを読み解き分析しても、実行しなければ売上向上や業務効率にはつながりません。そのためデータの読み解きから実行までを何度も繰り返し、データに慣れて仮説の精度を上げる必要があります。具体的には以下のような流れです。
- 必要なデータを収集し、データを読み解く
- データを分析する
- 課題を解決するための仮説を立てる
- 仮説が正しいか、実行して確かめる(反省点を踏まえて1に戻る)
データリテラシーに関するよくある質問
データリテラシーは、企業の業績向上にも個人の人材価値向上にも役立つスキルだと解説しました。しかしデータリテラシーを企業で取り入れるには、まだ疑問が残る方もいるでしょう。そこでここではデータリテラシーに関するよくある質問を解説します。
データリテラシーが低い、不足している場合の対処法とは?
データリテラシーの重要性や概要は、社内で詳しい代表者や外部講師を招いた研修の実施がおすすめです。また、統計学のように継続的な学習が必要な場合は、eラーニングで学ぶ機会を作るとよいでしょう。学習を社員に委ねる場合にもeラーニングを活用したり、書籍で学習したりすることがおすすめです。
データサイエンティスト検定とは?
データサイエンティスト検定は、データリテラシーに必要不可欠なビジネス力・サイエンス力・エンジニアリング力を、4つのレベルで証明できる検定です。年に3回程試験日が設定されており、全国で受験できます。初めての方は、見習いレベルの「アシスタントデータサイエンティスト」からの受験がおすすめです。
参考:データサイエンティスト検定 リテラシーレベル|一般社団法人データサイエンティスト協会
データリテラシーに関わる文部科学省の制度とは?
内閣府、文部科学省・経済産業省が創設した「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度」という制度です。学生のリテラシーレベルを高めることを目的としており、高等学校・大学・専門学校から認定校が選出されます。企業にとっては、入社希望者の履歴書から、データリテラシーを有する人材を見極める手段として活用できる制度です。
まとめ
データリテラシーは、企業全体で取り組めば業務効率や売上向上が期待できます。ただし、導入当初はデータの整備に時間がかかるでしょう。日本ソフト開発のデータ整備サービスでは、最短1週間でデータを綺麗に整備できます。データの整備でお困りの際はお気軽にお問い合わせください。